ゲームと映画大好き!
わにやまさん(@waniwani75)です。
PS4『ラストオブアスパート2』の感想を書いていきます。
- 謎の感染症によって崩壊した世界を生き抜くサバイバルホラー
- 「復讐」をテーマに描かれる残酷で重厚なドラマがすごい!
- 植物に覆われた都市が美しい終末世界の絶景がたくさん!
このゲームの記事 | |
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ラスト オブ アス パート2
プレイ時間 | 32時間 |
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ジャンル | アクションアドベンチャー |
難易度 | 中級者向け 難易度調整あり(ベリーイージーまで) |
表現 | ホラー/セクシー/グロ表現過激 |
ストーリー | 前作のプレイを推奨 |
ラストオブアスパート2:短評
『ラストオブアスパート2』は、謎の感染症によって崩壊した世界を生き抜くホラーアクションです。
本作は、ゲームを通して人間ドラマを描くことにおいてPS4最高峰と言える大作!
美しく描写された終末世界は、朽ちた建物や植物、浜辺に寄せる波の表現までひとつひとつが限りなくリアルで、目を奪われる絶景に溢れています。
ゲームは、サバイバル要素を含んだステルスが主体で、限られた弾薬や物資を駆使して、感染者(ゾンビ)や人間たちと戦っていく緊迫感のある戦闘。
映画で見たような、大挙して押し寄せる感染者の群れや、崩壊していく中での逃走劇、次々に襲いかかる恐怖は まばたきすら惜しくなる迫力です!
そして、本作の真骨頂は、「復讐」をテーマに据えたダークなストーリーです。
生きることすら困難なこの世界で、「いかにして生きるかではなく、いかにして殺すか」を目的にした復讐が、プレイヤーの心をズタズタに引き裂きます。
終末世界に生きることの過酷さ、目を背けられない人間の残忍性がむき出しになった血なまぐさい人間ドラマを、ここまでのクオリティで描き切ったゲームは他にありません。
ゲームの限界に挑んだ苦しくも愛しい人間ドラマ、心してプレイしてみてください。
、心してプレイしてみてください。
残虐性は高いが命に向き合ったストーリー
『ラストオブアス パート2』は、残虐表現に容赦がないグロいシーンが多く登場しますが、決して命を軽んじているわけではなく、むしろ命に向き合えばこその残虐表現になっています。
主人公は、異常者でも快楽殺人鬼でもありません。
自らの手を血で染めていくことの葛藤と痛みを抱えながら、それでも果たさなければならない復讐のためにどん底へと堕ちていくストーリーには心が潰れそうになります。
人を殺すことに手を震わせ、目的を果たすために迫られる残虐性に苦しみ涙を流す。
人間らしさが散りばめられたストーリーだからこそ、プレイヤーの心を打つんです!
組織的になった人間たち
本作のストーリーは、主人公の復讐のほかにも、組織的な思想の違いによる対立構造が激化した社会が描かれます。
それぞれの組織が、自分たちを守るために他の組織と戦い、報復を行い、争いが絶えることはありません。
生きるために人を殺すだけでなく、見せしめのために吊るし上げにしたり、いかに痛めつけるかを考えられていたり。
「人間はこんなにも残酷になれるのか……」
と苦しくなるほど。
無秩序な世界で人間がたどる争いの歴史が生々しく描かれています。
ジョエルとエリーのその後が語られるストーリー
本作は、名作として名高い『ラストオブアス』の続編なので、ぜひとも前作をプレイしたのちにプレイしてください!
『ラストオブアスパート2』では、前作の主要キャストであるジョエルとエリーのその後が描かれているので、前作プレイヤーは必見。
前作のエンディングについて、
- ジョエルはどんなことを考えていたのか
- エリーはどう受け止めたのか
想像するしかなかった2人のその後に対するアンサーを見ることができますよ!
遊びやすくなったステルスアクションはNPCに命を吹き込んだ
『ラストオブアスパート2』は、一部の強力な敵を除くとほぼ全ての敵を「ナイフ」1本でステルスキルできる遊びやすい戦闘になりました。
少ない弾薬に苦戦したり、火炎瓶や爆弾をクラフトしていかに生き抜くかというサバイバル難度はかなり易しくなっているので、“簡単になった”ことは人によって好みの分かれるところかもしれません。
特に進化したのは敵の個性で、敵NPCがまるで生きている人間のように感じられる“ホンモノ感”を追求されているのには驚きます。
仲間が殺されて悲嘆の声を上げたり、追い詰められると命乞いをしてくることもある敵は、単なる障害物としての役割には収まりきらない命が吹き込まれています。
前作との単純な比較はむずかしい続編
前作と比較されるのは避けられない”名作の続編”『ラストオブアスパート2』ですが、個人的には比較のむずかしいタイプの続編だと感じました。
というのも、ストーリーの見せ方が前作とは全く異なっているからです。
前作は、主人公の「ジョエル」に極限まで感情移入していくことで、自分も登場人物の一人だと感じられるほどの没入感を生み出していたタイトルです。
しかし、『ラストオブアスパート2』では、主人公のエリーとプレイヤーが同じ温度で物語を読むことはありません。
今作は、ムービーで物語が進行するシーンが非常に多く、過去回想もふんだんに挿入されます。
主人公のエリーは過去の出来事を知っているけど、プレイヤーは回想で語られるまで知らない情報というのがあまりにも多いので、エリーとの一体感はほとんどありません。
映画的な語り口ではあるけれど、ゲームでしか体験できない高い感情移入を成功させた前作とは作りがまるで違います。
また、本作はエリーだけでなく、エリーが追いかける敵側のストーリーも語られるので、
という、俯瞰視点でストーリーを読んでいくスタイル。
終末世界の人間ドラマをスケールをアップさせ、そこに生きる人々それぞれの物語を描いたという点では、間違いなくパワーアップしている『ラストオブアスパート2』ですが、たった一人に感情移入しまくってエゴを突き通した前作とは魅力となるポイントがかなり異なります。
前作との比較はそこそこに、新しいゲームとしてプレイした方が楽しめそうです。
まとめ
終末世界のドラマを「復讐」というテーマで描いたサバイバルホラーです。
賛否分かれる問題作のようですが、圧倒的なドラマ体験とゲームとしてのクオリティは素晴らしく、やっていることは間違いなくトップクラス!
単体作品としてみると絶賛しかないタイトルですが、“名作の続編”としての足枷からは逃れられないので、前作に思い入れが強い方には好き嫌いが分かれると思います。
また、“多様性”を盛り込んだ作品が嫌いな方もやめておいた方がいいかな。
とはいえ、PS4をお持ちならプレイしてみて損のない大作です。
実はグロいのもホラーも大嫌いなわたしですが、『ラストオブアスパート2』はもう、本当にすごいゲームでした。
ただ映像を見るだけの映画とは違う“自らが体験する”というゲームの特性が存分に活かされたストーリーテリングはさすが!としか言えません。
表現力の化け物だな……と。
“名作の続編”として、絶対に売れるゲームだからこそ生まれた大作だと思うので、前作には感謝こそすれ、比較はしすぎずに楽しませてもらいました!