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ロストジャッジメント:裁かれざる記憶【ネタバレあり・ストーリー感想】印象に残った場面や名台詞など重厚なドラマを振り返ります。

ストーリー感想

ゲームと映画大好き!
わにやまさん(@waniwani75)です。

PS5/PS4『ロストジャッジメント:裁かれざる記憶』のストーリー感想を書いていきます。

本記事は『ロストジャッジメント:裁かれざる記憶』のネタバレを含みます。閲覧にはご注意ください。
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ロストジャッジメント:裁かれざる記憶

ストーリー全体の感想


『ロストジャッジメント:裁かれざる記憶』のストーリー全体の感想としては、序盤は謎が多くて面白かったものの、後半に失速していった印象です。

序盤の惹きつけ方は本当に巧くて、「腐乱死体」と「痴漢」というまったく異なる2つの事件がどうやってつながっていくのか、そして、共通項が少しずつ浮かび上がってくるとゾクゾク感が感じられて 面白かったなぁ!

しかし、痴漢の狂言トリックがわかった辺りからは物語が停滞した印象で、その後のヤクザ勢力がどうのこうのだったり、相馬探し/桑野探しに時間を割いたりと、ヤクザ村のお話にはあまりハマれず……。

痴漢の替え玉トリックも簡単なものでしたし、澤先生の死に頼りすぎなところもあって、全体的に前作の方がよくできていたかなと思います。

それでは、好きなシーンや印象的なシーンを振り返っていきます!

ファーストペンギンでいじめを撲滅!


最初の印象的なシーンは、いじめ調査の依頼を受けて訪れた学校での いじめ撲滅大作戦!

スピーカーを使って、いじめに声を上げる第一声を八神たちが演じることで、傍観者だった生徒たちが立ち上がるというお話。

「そんなに上手くいくのかな…」と心の隅では悲観しながらも、こんな風に解決できたらいいんだろうなと思いながら見ていました。


このお話で好きだったのは、いじめられた生徒側の落ち度を描かなかったこと。

「公正世界仮説」という言葉をご存知でしょうか?

これは例えば、犯罪に巻き込まれた被害者に対して「被害者にも落ち度があったはずだ」と考える認知バイアスのこと。

悪いことに巻き込まれるのはそれ相応の理由がある、という思考で被害者叩きに走ってしまう心理のことを言います。

日本に限ったことではないですが、こういった現象をリアルやネットで見たこと、きっとありますよね。

だから、そういうバイアスを避けるために、被害者の落ち度をあえて一片も描かなかったことには好感が持てました。


自分たちのしたことを省み、最後には八神たちを助けてくれるまっつんたちはいい役所でしたね!

被害者である香田さんがまっつんたちを最後まで赦さなかったこともいいなと思いましたし、現代時系列の学校編は好きです!

杉浦のイケメンな素顔を見てはしゃいじゃうあかねに笑ってしまった

 

大人たちの悔恨


続いての印象的なシーンは、いじめの存在を認識した大人たちが行動を起こせなかったことへの悔恨のシーンです。

ロストジャッジメントが面白いと思うのは、いじめを大人たちの視点からも描いていること。

CERO:D作品なので、当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、意外と稀有なアプローチではないかなと思います。

大人にだって正解のわからないいじめ問題。

澤先生、江原、桑野、この3人それぞれの悔恨の言葉には胸を刺されるような想いでした。


特に印象的だったのは、澤先生と江原のセリフ。

「私は……
敏朗君にイジメの相談を受けた ただ一人の大人でした」
「あいつが……
自分の受けた屈辱を私たちへ言うまでにどれだけの勇気がいったか
恥ずかしいと思ったはずだ それでも助けを求めた行動を……
私は何よりもまず認めなきゃならなかった
よく打ち明けたとほめるべきだった……!」

教師の立場、親の立場で、あの時どうしていれば自殺を止められたのか、なにが正解だったのか、悔い悩む姿には涙がこぼれそうでした。

痴漢狂言


続いての印象的なシーンは、痴漢で逮捕された江原のアリバイを崩すために痴漢狂言が暴かれるシーン。

これは悪い意味で印象に残っているシーンですね。

フィクションの世界で「痴漢」を取り扱った時点で、冤罪か狂言かの二択だろうと思っていましたから、あぁ、やっぱりそうですよね。といったところ。

ほとんどの人が被害を届け出さない/出せないこの根深い問題も、悲しいかな、冤罪や狂言による詐欺行為の方がフィーチャーされてしまうんですよね。

痴漢狂言に加えて、澤先生の「冷蔵庫の女」(主人公の成長のために犠牲になる女性キャラクター)っぷり、そして、“ただの痴漢”の大合唱のトリプルパンチで、結構つらかったなー。


いや、意味はわかるんですよ?

わかるんだけど、あんなに“ただの痴漢”って大合唱せんでもいいじゃないかー!

しくしく。

やはり性犯罪系は苦手です。。

澤先生の死


続いての印象的なシーンは、澤先生の死です。

これも……、モヤモヤするシーンではあったかなと思います。

澤先生が殺された時点では、純粋にショックで悲しくて、物語の盛り上がりの一部という見方をしていたのですが、話が進むにつれて、澤先生がシナリオに殺されたことがわかると、うーむ。

ちょっと八神の正義は、澤先生に頼りすぎな気がしました。


澤先生の死がなければ、八神の正義は証明できない。

だからシナリオ上、善人の澤先生は殺されなければいけなかった。

随分とメタ的な視点にはなってしまいますが、主人公の正義の証明のために善人が殺される。というのは強引というか、ご都合主義に感じてしまいますね。

澤先生の死というほころびがなかった場合、八神はどんな風に桑野や楠本に向かっていったのか、もう少し別の角度でも見てみたかったです。

殺人の罪


続いては、印象に残っているセリフをちょこっと振り返ります。

そのセリフは、いじめ加害者を殺した楠本が、八神に自首を勧められたときのセリフ。

「殺人の罪でですか?
でも私が殺したのは本当に人だったの?」

これ聞いたときは、身の毛がよだつようなぞわぞわ感がありましたね。

彼女の思想がというよりは、彼女をここまで駆り立てた卑劣ないじめと、彼女の憎悪の大きさが一言でわかってしまう素晴らしいセリフだったから。

聡明である彼女が殺人という罪を犯してしまうほど、それほどいじめっていうものは……。

桑野vs八神


最後の印象的なシーンは、クライマックスの桑野と八神の直接対決シーンです!

法で裁けない悪に私刑をという桑野と、法のもとで処罰をという八神。

どちらの主張も“わかる”し、桑野のようなダークヒーロー物語はたくさんあるから、読者をひきつける魅力がありますよね。

法治国家で私刑が許されないのは大前提として、どれだけ無様に膝をつくことになっても、たとえ裏切られたとしても、いじめ被害者の遺族に寄り添い続ける桑野は魅力的なキャラクターでした。


八神は澤先生の一点張りではありましたが、主張は通っていて、正義の鉄槌であったとしても、人殺しがその罪を逃れるために罪のない人を殺す正義の矛盾にいつかはぶち当たることになる。

それでなくとも、人は殺すが捕まりたくないというのはやはり無理があるし、八神の言っていることが正論なんだけど、

「法律が公平になるのを待ってたら私は老いぼれて死ぬだけだ」

と、顔を歪めながら言った江原のセリフが耳について離れない。

そんな2人の対決でした。

桑野を行方しれずにし、どちらが正しいかの白黒をつけなかったエンディングは気に入っています。

まとめ

以上、『ロストジャッジメント:裁かれざる記憶』のストーリー感想でした!

「いじめ」というテーマだとわかったとき、もっと子どもたちが主体のお話かと思っていましたが、いじめを取り巻く憎悪や大人たちの人間模様がよく描かれて、新鮮な切り口に関心しきりでした。

ヤクザモノが蛇足な感じはしましたが、このままドラマ化されても面白そうなシナリオですね。