ゲームと映画大好き!
わにやまさん(@waniwani75)です。
今回は、PS4『シェンムー1&2』の中に収録されている『シェンムー 1章 横須賀』の感想。
1999年にドリームキャストで発売された名作が現代に蘇ります。
グラフィックや操作周りの古さは否めないものの、長年支持されるだけの魅力はしっかりと感じることができました。
そんな『シェンムー』の魅力を書いていこうと思います!
- 1986年の横須賀が舞台。時代が進むにつれて失われた人との繋がりが描かれる!
- 時間の流れる横須賀の街を探索し、父親が殺された真相を追う!
- 「パンチ・キック・投げ技」の戦闘で、マフィアやゴロツキを一喝!
シェンムー
プレイ時間 | 13時間 |
---|---|
ジャンル | アクションアドベンチャー |
難易度 | 調整なし(中級者向け) |
補足 | ストーリーは未完 |
時間の流れる横須賀の街で交流し戦う!1986年の匂い漂うアクションアドベンチャー
正直に言いますね。
最初は「古いな!」という感想が出てくると思います。
荒いグラフィックに、動きの鈍いモーション、ノイズのひどい音質。
そんなことを思いました。
しかし、やはり名作と呼ばれるだけのタイトル。その面白さはすぐにわかります。
1986年の横須賀を舞台にした街並みは、懐かしい!のひとこと。(実際にその時代を生きていなくても)
個人商店の並ぶ商店街に、スケバン姿の学生や、おかもちを肩にのせて走る蕎麦屋、街には公衆電話。
ガチャガチャや懐かしのアーケードゲームも実際にプレイすることができ、時間が流れる街は生きているように感じます。
細かく描写された、近い時代のノスタルジー世界にタイムスリップできるんです。
主人公は、謎の人物に父親を殺され、復讐のために手がかりを探していきますが、攻略方法はさまざま。
街の人々が異なるヒントを持っているので、どのヒントで真相にたどり着くかはプレイヤーによって違ってきます。
父を殺した人物はどこにいるのか
『シェンムー 1章 横須賀』からはじまる壮大な物語の序章を、一期一会の方法で追っていきます。
戦闘要素は控えめで、探索や聞き込みでストーリーを進めていくので、感覚としてはかなり「アドベンチャー」寄り。
そして、シェンムーでもっとも魅力的なのは「人との繋がり」です。
リアルな人とのつながりが軽薄になりつつある現代。
父から武道を学んだ主人公はとても礼儀ただしく、義理がたい。一言で言うなら「硬派」な青年です。
そんな彼の周囲には、父に大変世話になったからと息子にまで敬意を払い、尽くしてくれる人ばかり。
心の底から相手を大切に思い、相手の痛みに寄り添い、時には叱咤し手を差し伸べてくれる。
今はなき、古き良き日本の姿がここにはあります。

1986年を切り取った懐かしい街並みと、主人公の揺るがぬ精神、そして彼をとりまく人々のあたたかさに胸が熱くなる。
発売当時から名作と呼ばれたタイトルですが、時代が進んだ今、改めて魅力を高めたゲームだと思います。
戦闘に雑魚戦はない!
主人公のアクションは武器を持たない肉弾戦。
「パンチ、キック、投げ」やコマンド入力で発動する技を使って戦います。(投げが強いのでオススメ)
戦闘はストーリー上戦うべき相手としか戦わないので雑魚戦はなし。
主人公にはライフの成長要素がなく、難易度調整も用意されていないため、アクションに不馴れだと苦戦するかもしれません。
敗北しても直前からリトライが可能ですが、イベントシーンを飛ばせないのがストレス。
QTE(時間内にコマンドを入力していく)も頻発しますが、判定時間が短いのでリトライしてコマンドを覚える必要があり、嫌われがちなQTEだと思います。
終盤にフォークリフトゲーム化する
中盤までは、人に話を聞いたり、部屋を探索してアイテムをみつけたりと、ストーリー分岐のないインタラクティブアドベンチャーのように進んでいきますが、後半、港でアルバイトをするようになると、フォークリフト浸けの毎日になります。
朝の9時から、休憩を挟んで17時まで。
荷物運びのアルバイトは、ノルマを達成していくちまちまとした喜びと、日々向上していくフォークリフトの扱いに成長を感じてわたしは結構好きなのですが、3日を過ぎた辺りから、
と、ふと疑問が浮かんだりも。
作業ゲーが嫌いな人は終盤つらい思いをしそうです。
待ち時間が多い
ゲーム内では時間が流れており、夜にならないと開かないお店や、昼間しか話せない人物など、刻一刻と変化していく街並みを楽しむことができます。
しかし、自力で時間を経過させる術がないため、「待ち時間」はかなり多いです。
ひとつヒントを得たら、「じゃあ明日の○時にきてくれ」と、次の日になるまで話が進まないことが多々あります。
たとえば、昼間のうちに予定が終わってしまっても、20時にならないと家で「寝る」ことができませんから、昼以降は時間経過を待つためにゲームを放置して、スマホいじったり…なんてこともありました。
その他でも、電話をかけるときは自分で電話番号を覚えて、ダイヤルを回さなければいけません。
このアナログ感は「昔のゲーム」として割りきる必要があります。
まとめ
ゲームとしては今プレイして真新しさを感じることはないかもしれませんが、かつて日本に存在したあたたかな人情を捉えており、今プレイしてこそ輝く魅力があると思います。
ゲームは発売から時間が経つと当然技術は古くなりますが、「古くなる」ことがむしろヴィンテージのように価値を生む不思議なゲーム。
戦闘要素控えめなので、アドベンチャーを楽しむような感覚で日本の香りを楽しんでみてください。
昔のゲームっぽい不便さが目立つので、もう少しチューニングされているとなおよかったですね!
シェンムーは特別なゲームになりました!
かつての時代にタイムスリップすることも、遡ることもできないけど、ゲームの中でこうやって、古き良き時代を体験ができるのは素晴らしいなと。
『ALWAYS 三丁目の夕日』の空気感が好きな人はきっと好きなゲームになるんじゃないかと思います。
独特の日本人の気質をうまく捉えており、これもまた、国産ゲームの魅力のひとつなんでしょうね。