バリアントハートザグレイトウォー【レビュー・評価】第一次世界大戦を生きた男女4人のストーリーに心揺さぶられる！アメコミ表現で圧巻のシネマティック2Dアドベンチャー

ゲームと映画大好き！
わにやまさん(@waniwani75)です。

PS3/PS4/Nintendo Switchのダウンロードソフト『バリアントハートザグレイトウォー』の感想を書いていきます。

どんなゲーム？

バリアントハートザグレイトウォー

プレイ時間	9時間
ジャンル	2Dパズルアドベンチャー
難易度	誰でもプレイできる攻略情報なしでエンディングまでたどり着ける

『バリアントハートザグレイトウォー』は、第一次世界大戦を4人のキャラクター視点で描いた2Dパズルアドベンチャー。

ゲームプレイとムービーの見分けがつかないほど精巧に作られた、全編アメリカンコミック調の世界が圧巻です！

銃弾が降り注ぐ戦地を自分の足で駆け抜け、すぐ隣では仲間が次々と倒れていく、まるで戦場に立っているかのような臨場感は、もはやプレイする映画！

2Dアドベンチャーでここまで迫力あるシーンを生み出せてしまうのかと感動してしまいます！

「戦争モノ」と聞くと敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、兵士としての戦いぶりではなくヒューマンドラマにスポットが当たっているため感情移入のしやすさは抜群！

戦争によって引き裂かれた家族と再会するために必死に生き延びたり、戦地で敵味方を超えた友情が芽生えたりと、いつだって中心にあるのは人と人との絆です。

戦争のなかでクロスしていく4人の物語に心を揺さぶられ、クリア時には、良質な映画をみたような充実感とカタルシスに包まれます。

戦時下のストーリーもさることながら、パズルアドベンチャーとしても優秀な本作。

変装による敵陣潜入や、ダイナマイトによる障害物の排除、カーレースなど、ギミック好きはストーリーをおまけ程度に購入したとしても十分楽しめる高品質アドベンチャーです。

ストーリーの魅力をメインに紹介してきましたが、『バリアントハートザグレイトウォー』は、パズルアドベンチャーとしても面白いです！

ものを押したり引いたりして足場を作ったり、バイプを回転させて水路をつなげたりといった「ザ・パズルアドベンチャー」な遊びから、敵の目をくぐり抜けるステルス要素や戦車に乗っての銃撃戦まで、豊富なアクションが用意されています。

4人の主人公はそれぞれが個別のアクションを持っているので、穴を掘って地中を逃げたり、看護師でケガ人を治療するミニゲームが音ゲー風だったりと、キャラクターごとにも変化が感じられるこだわりぶり。

探索やギミックが好きな人はゲームプレイにも期待していい内容です。

ギミックが解けずに一定時間が経つとヒントが見られるようになるので、万が一詰まってしまっても安心の親切設計になっています。

戦争を取り扱うとどうしても作風が暗くなってしまうことが多いのですが、『バリアントハートザグレイトウォー』は色彩がパッと明るくキャッチーに作られています。

アメコミ調でキャラクター頭身も低く、かわいさすら感じるほど。

戦争モノって難しいイメージが強くてとっつきにくかったりするのですが、このキャッチーなビジュアルが高いハードルを一気に下げてくれています。

アメコミ調でも戦争の凄惨さはありありと描かれているので、遊びながらでも重いテーマに触れられる学習ゲームとしても価値があると思います。

ストーリーもヒューマンドラマメインで入りやすいので、気軽にプレイしてみてほしいですね。

ゲームの中では、実際の戦争史実を見ることができます。

資料は長々とは書かれておらず簡潔で見やすく、また、自分がプレイしているチャプターに関連のある資料のみが見られるようになっているので、自然と資料に目を通したくなります。

例えば、毒ガスで行く手が阻まれているチャプターでは、毒ガスによってどんな症状が引き起こされるのかという情報や、毒ガス対策として兵たちが布に尿を染み込ませてマスクにしていたことなどが紹介されています。

男性が徴兵されたことによって、女性が産業を担うようになり重要な役職につく女性が増えたことで女性の参政権獲得につながったなど、読んでみるとなかなか面白いですよ。

戦争下の濃いヒューマンドラマと、アメコミ調ながら圧倒的迫力で描かれる戦争シーン、そしてゲームとしての高評価につながるパズルアドベンチャーの面白さで、どこを取っても不足のないハイクオリティなダウンロードゲームです。

「どうしても戦争モノは重くて苦手……」という人でなければどなたでも楽しめるかと思います。

映画的な体験ができる 2Dアドベンチャーのすごさを実感してみてください！

おまけ：時々一緒に行動するワンコがかわいいです