ゲームと映画大好き!
わにやまさん(@waniwani75)です。
PS4/Nintendo Switch『夜、灯す』の感想を書いていきます。
- 箏の大会を目指す箏曲部のスポ根ストーリー!
- 大正時代の学校の怪談にまつわる奇怪ホラー
- 選択肢はありつつ一本道のシンプルアドベンチャー
夜、灯す
プレイ時間 | 5時間 |
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ジャンル | ホラーアドベンチャー |
難易度 | 誰でもプレイできる 攻略情報なしでクリア可能 |
夜、灯す:短評
『夜、灯す』は、箏で大会を目指す女子高生たちの奮闘を描いたアドベンチャーゲームです。
「百合ホラー」という謳い文句の本作ですが、実は、百合もホラーも控えめな スポ根系の青春ストーリー!
「みんなで楽しく」をモットーに活動していた箏曲部に、天才的な技能をもつ転校生がやってきます。
ところがこの転校生、遊びでやってる(ように見える)部員たちに見下した態度をとるから、まぁ〜、荒れる!荒れる!
そんな台風の目となる転校生のおかげで、部員一人一人の内面的な課題が表面化し、衝突しながら一致団結していくストーリーはかわいくも熱血です!
もうひとつの大きな要素として、忘れてはいけないのがホラー要素。
主人公の通う女子校でかつて存在したという「擬似姉妹制度」、学校で心中し恨みを募らせた幽霊、そして、現代の箏曲部で痛ましい事件が次々に起こっていきます。
黒髪ロングの少女やセーラー服といった鉄板ホラーの雰囲気と、海に合宿にと青春を謳歌しながら怪奇と音楽に真剣に向き合う女の子たち。
選択肢はありますが複雑なストーリー分岐はなく、一本道でシンプルに作られているのでアドベンチャーゲーム初心者でも安心してプレイできますよ!
“読み物”としては結構アリ!
『夜、灯す』は、正直にいうと、ゲームとしてはシンプルすぎるし、“ホラーアドベンチャー”だと意気込んでプレイすると肩透かし感がハンパないのですが、
それはそれとして置いておくとするならば、読み物としては結構楽しめます!
箏曲部のメンバーたちは、一人一人のバックボーンや抱えている精神的な問題に対する描写が細かく、うわべだけの青春ストーリーにはなっていません。
- 陸上部のホープだったのにケガで目的を失い、喪失を埋めるように箏と出会った少女
- 箏には興味などなく友達といたいからなんとなく部に所属していた少女
などなど、全部は書きませんが、彼女たちが自分自身の問題に羞恥や虚栄を乗り越えて向き合っていくストーリーには感じるものが多々あります。
絵付き、ボイス付きで読める小説のような感覚でプレイするのがいいんじゃないかな。
「百合ホラー」の謳い文句は良くない
本作は、「百合ホラー」という謳い文句がよくないんじゃないかなぁとプレイしていて感じました。
ホラーとしては怖くなさすぎるし、部員たちに降りかかる出来事には実被害があまりなく、百合描写もほとんどありません。(肩を寄せる描写があったりしますが、友達同士のふれあいの範囲かな)
これは褒め言葉でもあるんだけど、スポ根ストーリーの印象が強すぎるんですよ!
と思い出さなければ忘れてしまうくらい、スポ根が物語の中心にあるんです。
「求めていたモノと違う」というのは、有無を言わせず駄作になりうるので、「スポ根・微百合・微ホラー」だと認識を改めた方が楽しめると思います。
ゲームとしてはかなりシンプル
本作は、テキストを読み進めていくアドベンチャーゲームですが、選択肢による複雑なストーリー分岐は一切ありません。
選択肢の分岐は正答かバッドエンドのみで、過去の選択による影響やフラグなどなく、とことん一本道。
自力でクリアできるという点では親切だと思いますが、「じゃあゲームじゃなくてもいいよね?」という疑問は拭えず、また、アドベンチャーゲームをよく遊ぶ方には物足りなさすぎる印象を与えると思います。
おまけ:ばあちゃんがファンキー!
『夜、灯す』に登場する魅力的なキャラクターを一人紹介しますね!
それは主人公のおばあちゃんである「十六夜 妙蓮」さん!
地元では高僧として有名なおばあちゃん(主人公はおばあちゃんと一緒にお寺に住んでいる)ですが、めっちゃファンキーなんです!
お寺といえば、質素な生活をしているイメージがあると思いますが、薄い味付けの料理はキライでピザが大好物。
SNSを使いこなすスーパーおばあちゃんで、「旨いもんってのは大体味が濃くて油が多いんだよ!」「SNSの相互さんが〜」なんて名言を披露してくれます。
女子高生たちもかわいくて魅力ですが、ばあちゃん最強です……!
まとめ
百合とホラーは控えめに、熱〜いスポ根ストーリーを楽しめるアドベンチャーゲームです。
百合ホラー目当てに購入するのはおすすめしませんが、女の子たちの青春を描いた”読み物”としてなら楽しめると思います。
税込7,000円以上のフルプライスゲームで、プレイ時間5時間という驚異のコスパの悪さ、ゲームとしての魅力・ゲームでなければならない理由も見つけられないので、なかなかおすすめしづらいゲームではあります。
コスパ完全無視の視点からいうと、結構楽しめたゲームでした!
ビビリのわたしが全然怖さを感じなかったので、ホラーとしての魅力は薄いんだろうけど、その分、スポ根に注力したストーリーは、”なんちゃって『スイングガールズ』”のよう!
わたしは事前情報をあまり調べずに購入したので、先入観がなかったのが良かったのかもしれませんね!